ソーシャル・アジェンダ・ラボ

背景とねらい

ソーシャル・アジェンダ・ラボ(SAL)は、 社会的事業の課題解決に貢献する知恵とスキルが集まる、ボランタリー・シンクタンクを目指します。

具体的な事業として、課題解決の早期化/インパクト最大化を目的とし、 スキル・ボランティア(プロボノ)による社会課題のリサーチを実施します。

なぜ、今こうした取組みが必要となるのでしょうか。 背景には、ETIC.のこれまでの歩みから見えてきた課題があります。

ETIC.は、1997年からアントレプレナー・インターンシップ・プログラムを、 そして2001年から「社会的事業」に取り組む起業家の支援に取組み、 2,400名以上の学生と800社の受入企業、そして100名以上の 社会起業家からなる挑戦の生態系を築いてきました。

結果として、その中から様々なイノベーションが生まれました。 しかし一方で、社会的課題の解決をさらに加速させていくためには、 課題を根源から解決するアプローチの発見と、意欲とスキルのある 社会人を巻き込んでいくことが必要であるという課題も見えてきました。

社会的事業は、困っている方々に直接アプローチする段階から、 根本的な課題解決に取り組む段階へと、深化していくべきであると私たちは考えます。 このためには、起業家が提供したいサービスを拡大していくという発想から、 社会課題を根源から解決する最適な手法を考え、実行していくという発想への、 戦略転換が重要となります。そして、そのために必要な連携を行政や企業と 構築していく、デザイン力や巻き込み力が、今後ますます求められるようになります。

資源に制約のあるスタートアップ段階の起業家にとって、 上記の要件を全て満たしていくことは、容易ではありません。 このため、社会的事業がもつ最大の強みである「共感」を活かし、 豊富なスキルをもった社会人を巻き込んでいくことが必要です。

以上の課題認識とねらいのもと、SALは、スキル・ボランティア(プロボノ)による 課題構造分析とロードマップ策定支援を、パッケージ・プログラムとして運用し、 多様な人々の知恵を集めることにより、起業家の取り組みを支援します。