ソーシャルビジネス実習

背景とねらい

ETIC.では、1997年よりアントレプレナー・インターンシップ・プログラム(EIP)を開始しました。
未来に新しい価値を生み出す創業経営者の右腕として、半年間、真剣勝負の場で、共に挑戦をしながら修行をするというコンセプトです。本プログラムは2010年現在、14期生を迎え、参加学生は2400名、受入企業は延べ800社以上、またプログラムOBOGの起業者数は120名を越えました。

一方、2004年より、地域に「若者と地域がともに協働する」人材育成のプログラムや創業支援の仕組みを導入することで、地域の担い手を育成し地域の活性化に繋げていく「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト」(事務局:ETIC.)にも取り組んで参りました。
現在では、同プロジェクトのコンセプトに賛同・参画する地域のコーディネート機関が約20地域に広がり、地域企業や若者の挑戦のサポートを行っています。

今回の「ソーシャルビジネスインターンシップ事業」は、2004年より地域のコーディネート機関と培ってきたネットワークや経験・ノウハウを土台とし、日本の各地域に「ソーシャルビジネスを担う人材を自律的に生み出す仕組み」を構築することを目的に行います。

特に、以下の点に狙いを置き、取り組んで参ります。
 1)地域の各セクター(企業・大学・自治体)との協働促進による人材育成基盤強化
 2)地域課題の発見・再編集・プロジェクト化(仮説検証)・事業化による解決促進
 3)ソーシャルビジネスの担い手となる若手人材(社会人含む)の発掘・育成・活用

本事業の終了後にも、地域社会に「ソーシャルビジネスを担う人材を自律的に生み出す仕組み」が持続発展していくことを目指して、この2年間皆様とともに取り組んで参ります。

 

SBインターンシップ事業概要 ※SB=ソーシャルビジネス

プログラム名称 期間 対象 (人数) 狙い
ソーシャルビジネス実習
(入門編)
6週間
(180時間以上)
大学1年2年
(1000人)
「大学連携型SB実習」
大学との連携によるSBの担い手予備軍としての学生の意識・知識の底上げ
 『ソーシャルビジネスインターンシップ
(中級編)
6ヶ月以上 全学年対象
(400人)
「SB経営者の右腕」
新規事業立ち上げや経営改善などにおいてSB経営者の右腕を目指す

地域イノベータープログラム
(上級編)

8ヶ月以上

休職・退職の若手社会人
(25人)

国内版「海外青年協力隊」
8-12ヶ月フルコミットで地域のSBの現場に入り、新規事業リーダーを務める。2年目以降、新規創業あり

 

ソーシャルビジネス実習では、SB企業/大学/若者の3者が「つながり・かかわり・ひろがり・ふかまり」のあるプログラム構築します。

それにより、
●若者:自己を知り、地域/社会の関係性の中で他者への共感・感謝・貢献の重要性を理解し、主体性と問題意識を持つ
●SB企業:プログラムを通じ、自社事業/組織の強弱を再認識する
●大学:知識学習をベースにした教育カリキュラムから、地域・社会と協働・連携することで、実践的なフィールドも新たな教育の場として活用し、状況的学習能力が向上する人材育成カリキュラムの構築を目指します。

また、プログラム全体をプロセス評価・モデル化・量産・発信することで、自立継続的な仕組みを目指し地域の各大学とカリキュラム連携を行いながら実施していきます。

ソーシャルビジネスインターンシップでは、SBキャリアに関心を抱く学生の修行機会(問題意識から当事者意識へ)として、また各地域の中小・ベンチャー・地域変革企業の事業発展・組織力強化(戦略的事業への着手、人材育成・人事機能の立ち上がり(戦略的に若者を活用して、戦力化))を目的に実施します。
また、コーディネート機関が、コーディネーターによる手作業のハンズオン型→コミュニティ型運営への転換を通じて会費コストを低価格化し、量産体制可能な基盤確立を目指します。


地域イノベータープログラムでは、「地域を変えるリーダーを、地域を変える現場で育てる~」をコンセプトに、休職・転職を考える若手社会人に一定期間、地域にフルコミットで入り込んでもらいます。

そして、戦略的に仕掛ける地域プロデューサー(師匠)のもとで、地域の次の一手になる新規事業開発・新商品開発のプロジェクトリーダーとして地域プロデュースの実践経験を積みます。地域におけるソーシャルビジネス担い手育成と同時に、地域の中で新たな事業が生まれ、人が育ち、活躍できるチャンスが拡がる好循環を生み出すことを目的にしています。

また、2年後、ビジネスセクターからSB分野への人材の流動(起業・SBへの就職転職等)をより促すために「事例」「実績」「仕組み」を確立を目指しながら、地域におけるSBの創出、若者の流入・活用に関心が高い自治体との連携事業で継続・発展を目指しています。