ソーシャルビジネス実習

カリキュラム事例

金沢大学 まちづくりインターンシップ(2010年度前期)

コーディネート団体:株式会社御祓川

■背景 石川県能登地域の「まち・みせ・ひと育て」に取り組む(株)御祓川が、まちづくりコーディネートを行う中で、能登で地域活性に取り組む人々の共通の声は「若者不足」であった。商工会議所や市の産業部局も同じ問題認識であることから、官民一体となって地域づくりの現場と若者を結ぶ「能登留学」を開始した。金沢大学と連携して、「七尾合宿」を盛り込んだ短期インターンを運営することで、若者と地域との関わりを深め、長期実践型の「能登留学」に挑戦する母集団形成に取り組んでいる。

■概要 地域の問題解決に取り組むまちづくりの現場に、受講生が短期インターンをすることによって、地域との関わりを深め、まちづくりの担い手としての意識や課題へのアプローチ方法を学ぶ。

■カリキュラム 科目名:まちづくりインターンシップ(2単位) 対象学部・学年:地域創造学類地域プランニングコース 2年

■特徴 昨年度にインターンを経験した上級生にもできるだけ参加を求め、異なる学年の学生が一緒に参加することで共同で作業するためのノウハウを学ばせる。 プロジェクトによっては、インターン終了後も個人的に地域とのつながりを持ち、地域イベントのスタッフとして関わる学生が生まれている。 また、事前合宿で培われた絆をもとに、能登留学に関するイベントを学生の立場で運営するネットワークとして「能登らぼ」が発足した。

プロジェクト紹介


◇ 鯖江PRに向けたコミュニティビジネス調査

受入先:鯖江市役所
内容:市民主役条例を元に、市民が主役となって鯖江市の魅力を市内外に伝えるNPOの立ち上げに向けた調査と提案づくりをインターン生が担った。


◇ 能登留学受け入れプログラム設計

受入先:御祓川
内容:長期実践型インターンシップの受け入れを検討している企業へのヒアリングを実施し、学生の視点から受け入れプログラムを設計し、企業に提案した。

関係者の声


金沢大学 地域創造学類 准教授 眞鍋知子氏

単なる体験型ではなく地域課題の解決を志向するインターンシップを2週間の短期とはいえ早期に経験することで、学生が大学でのふだんの授業への取り組みが積極的になり、授業内容への理解が深くなることを期待して、全員参加の必修科目として設定しています。


金沢大学地域創造学類地域プランニングコース2年 炭光太郎氏

私は鯖江市役所でインターンをし、現状を踏まえた上で事業提案を行いました。現場では、座学では学べない多くのことを知ることができ、多くの出会いがありました。その一方で、提言をまとめあげるには座学の知識が不可欠であり、座学の重要性も再認識しました。


黒部まちづくり協議会 事務局長 村田 光朗氏

学生は、地域にとっては第三者。その第三者が地域の課題を別の目線で発信してくれることは、地域にとって新鮮なことです。地域にいない人が言葉を言うと、同じことを地域の人が言うのとは、全然違うインパクトがあります。地域の中で考えていることより何十倍の敏感さを持っているので、学生の受け入れは、地域にとっても刺激になっています。



▲このページのトップに戻る