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第2期リサーチ・プロジェクトを振り返って:NPO法人キズキ共育塾のリサーチ 2011/2/5

2010年12月4日にキックオフした第2期リサーチ・プロジェクト。2月5日に行なわれた最終報告会を持って一区切りつきました。第2期は4人のスタートアップ・メンバーにそれぞれリサーチ・チームが付き、2ヵ月という限られた時間ですが、彼らが取り組んでいる社会課題についてのリサーチを行ないました。

4人のスタートアップ・メンバーの1人、NPO法人キズキ共育塾の安田祐輔さんには4人のアソシエイトがつき、安田さんの取り組んでいる「ドロップアウトした若者への学習支援事業」についてリサーチをおこないました。

このプロジェクトの特徴の1つは、社会課題や社会起業に関心があることでは共通しているものの、年齢、キャリア、学生、社会人など、多様なバックグラウンドを持ったアソシエイトが集まって、協力してリサーチをすることです。キズキ共育塾のリサーチ・チームも、じつに多様な4名から構成されました。

アソシエイトたちは安田さんの仮説を足掛かりに、スケジュールを調整しながら、本業の合間を縫って文献調査、関係者へのヒアリングを重ねました。頻繁に集まって議論することは難しいため、業務終了後や休日にメールやスカイプを駆使してレポートを形作っていきました。慣れない「社会課題」のリサーチは、彼らの頭を悩ませたようです。「どうすれば安田さんにとって価値のあるリサーチになるのか」。

キズキ共育塾のリサーチ・レポートはこのようなアソシエイトの試行錯誤と努力の結果、カタチとなりました。リサーチによってキズキの共育塾の事業が「なぜ社会的意義があるのか」、「支援対象者は誰で、どこにいるのか」、「若者がドロップアウトすることによる社会的損失の定量化」などが明らかにされました。さらに中長期的な提言として「ドロップアウト”帰還者白書”」の作成や、事業を通して得られる「知的資産」を蓄積していくことの重要性を指摘しました。

このリサーチにより、安田さんはあらためて取り組むべき課題を明確に設定することが可能になり、社会課題について情報発信していくことの重要性を確認することができました。また、リサーチに参加したアソシエイトの皆さんにとっての醍醐味は、スタートアップ・メンバーを通して自身のスキルを強みに、社会課題の取組みに参加できること。社会課題の現場で必要とされているものを提供できる機会だと思います。もちろん、異業種の仲間と知り合える機会もこのプロジェクトの醍醐味です。

引き続きリサーチ・プロジェクトにご期待ください!